さようなら、過去の私

杏子と合流したさやかは、「武器の交換っ!」と叫び、先ほどほむらを斬り捨てた剣を投げた。
さやかの意図を汲んだ杏子が、剣を受け取り槍をさやかに投げる。
槍を受け取ったさやかは、そのまま半身である人魚の魔女と合体した。

そんな事には一向に構わず、円環の理は地上のまどかめがけて降下を続けようとしたが、巨大化した槍を持つ人魚の魔女に羽交い絞めにされてさすがに動きが止まった。そこで再びまどかを絡めとろうと指から糸を放射したが、今度は杏子がそれらを断ち切った。

「つあああああぁああっ!」
人魚の魔女と一体化したさやかは力づくで、マミが開けた次元の風穴とまどかを一直線上にしようと空中で全力をかける。
少しずつではあるが、円環の理が進路を変え始めたとき、地上からお菓子の魔女がさらに加勢に来る。

※※※

自分の隣で横たわったまま眠り続ける普通の少女に戻った暁美ほむらを見て、鹿目まどかは遂に心を決めた。
「未来のほむらちゃんに会うためだもんね。」
それは、まどかに初めて芽生えた等身大の願いである。

できるなら、この世界でずっとこのまま何も知らずにあなたと過ごしていたかった。
でも、それはあまりにもあなたに重荷を背負わせ続けることだったんだね。

自分の心の奥深いところで
「このまま何も変えず、変わらず。」
という誘惑にも似た囁きが聴こえていたのを、まどかは断ち切った。
日常では流されやすく、気も強い方ではないこの少女が時折見せる強固な意志を顕す顔で。

悪魔の力が凝縮された黒い矢を拾い、つがえて、まどかはゆっくりと弓を弾き絞る。

お菓子の魔女の加勢を得て、一気に円環の理はまどかの狙うべき位置に引きずられていく。
「神様はお呼びじゃねえんだよっ!」
杏子が叫びながら体当たりを炸裂させたのが効いたのか、とうとうその位置に円環の理が重なった刹那、
まどかは、過去の自分を射抜いた。

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