人形の悪戯

人間らしい感情を短い生涯でようやく獲得しつつある今の暁美ほむらにとって、偽街の子供達の存在は不可思議なものとなっていた。
ほむらはこの人形達が自分の心の闇から生じたものであることを認識しており、ほどなく消え去る運命にあるだろうと予測していた。しかし実際には人形たちの悪戯は日に日に激しさを増しその活動範囲は広まるばかりである。

ほむらは怒りに任せて、彼女たちを消し去ることもできたが結局そうはしなかった。
「結局、あの子達を暴れさせているのは私だわ。」
心のどこかに、この人形に対して愛おしさをほむらは確かに感じてもいたのだ。

ここ数日、子供達は珍しくひとところに集まり何かを創っている。
「ジゲンの壁を壊してやる、もっとめちゃくちゃにせずにはおくものか」
イバリがどうやらリーダーのようだ。
「幸福な結末なんて落ち着かない、ここが踏ん張りどころだわ」
レイケツがいつになく饒舌になっている。

遠く離れてこういう様子をほむらは見ており、それが危険な何かであることを予見していたが、ほむらはそれでもやりたいようにやらせた。
それというのも、子供達の望みは自分の密やかな願望が出発点であるということをほむらは識っていたのだから。
いざ、何らかの異変が起こったならそれから対処するつもりでほむらは監視を続けている。

子供達は来る日も来る日も奇妙な実験を繰り返していた。

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