封印

自分を斬れ、というほむらの申し出にさやかよりも早く反応したのはまどかである。
「いったい。。それってどういう意味なの?」
ほむらはそれにはすぐに応えず、まどかの足元にいるインキュベーターを見据えて言った。

「インキュベーター、円環の理が出現した時空の裂け目の位置を正確に測定して頂戴。それでこの子を巻き込んだことは不問にしてあげるわ。」
未だ威厳を失わない暁美ほむらに命じられて、QBは従うより他にない。

ほむらはまどかに向き直ってようやく応えた。
「かつて私が、あなたの人格と円環の理を二つに分けたように、私の人格とこの姿を形づくっている力を二つに分ける、のよ。私の力であの円環の理を封印するの。」
それから、さやかを横目で見て続けた。
「それができる人が今、この場にいる、のだから。」
ほむらはその後聞こえるか聞こえないかの小さな声で更に続ける。
「ようやく私は、この世界を憎む事を止められる。」

上空では、杏子たちが円環の理の進攻を妨害していたが、じわじわとそれは接近していた。
迷っている時間はもはやあまりない。

「でも、そしたらほむらちゃんはどうなっちゃうの?」
まどかが不安を抑えきれない様子で問う。
ほむらは少し困った顔をした。
「私はただの普通の女の子になるだけよ。ただそれよりも、気にすべきはあなた自身のことなのよ、まどか。円環の理を完全に押さえ込めば、あなたもこれまでのことを再び忘れてしまうでしょう。」
ほむらは少し笑って続けた。
「私も、なのだけどね。」

「私を斬るのは美樹さんにお願いするけど。最後の封印はまどかにお願いしたいの。どうすればいいのか、はあなたにはわかるはずよ。この姿なら。」
ほむらは右手の人差し指をまどかの額に当てた。
その瞬間、閃光がまどかを包み、彼女はこの世界ではじめて〜そしておそらく最後の〜、魔法少女の姿となった。

気に入ったポストとかあれば、リツイートとかブックマークとかよろしくデス。

サブコンテンツ

このページの先頭へ