忘我に消ゆ

円環の理の中央に当たった黒い矢には、ほむらの魔力がこめられていたが同時に悪魔ほむらの感情も有していた。
その矢が射たのはかつての鹿目まどかだけではない。
円環の理と完全に融合し、いまや自我を持たなくなるまで融解したワルプルギスの夜も射抜いたのである。

「これなら、あなたも満足でしょう?」
声なき声でほむらは心無き心に呼びかける。

その問いかけに応えるように、円環の理はより高く宙に浮き、巴マミの開けた次元の風穴に向かって吸い込まれていく。

三度、感情の無いはずの円環の理は笑ったような表情を浮かべる。

全ての少女達とかつて少女だったものの願いがこれで叶う。
理とは、本来その願いだけのために生まれたものであったから。

白いドレスの神々しい姿は、その胸に黒い矢を宿したままこの世ではない場所に吸い込まれ、そして消えた。

※※※

神が消え、悪魔も消えた世界に新たなる改変が始まる。

しかし、それはかつてまどかやほむらが成した宇宙の書き換えとは全く異なる種類のもので在った。
世界という空間と、空間を形作っていた時間が歪む。

南米にいたさやか、杏子、マミ、まどか、昏睡状態の暁美ほむら、そして人間の姿に戻った百々江なぎさもその歪みに取り込まれる。少し遅れて、勿論インキュベーターも。

絶対的な統治者を失った世界の底から、大いなる混沌が目を覚ました。

※※※

「ここ、は。。。?」
目を覚ました美樹さやかは、自分が見滝原のよく来る丘の上にいる事に気がついた。
ふと傍らを見ると杏子もなぎさもマミも眠っていた。

「おいっ!おきろっ!杏子!!」
「ん。。ああ〜?。。」
杏子は金色の瞳を開き周囲を見渡す。
マミもほどなく目を覚ました。

まだ眠っているなぎさにはかまわず、三人は顔を見合わせる。
そして、三人の共通の疑問を同時に口にした。

「まどかと、ほむらは?」

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