いやあ、カロリー高い回でしたね。
序盤の海賊さんの引っ掛けから始まって、ギャラルホルン別部隊の乱入と何重も重なったストーリー展開。
ここまでのキャラクターの掘り下げ効果もあって、やっぱ面白いですわ。

で、やや尺の都合的に「もっと暴れまわってもよさそうだが来週くらいには消えそうな」夜明けの地平線団・団長のサンドバル・ロイターさんをクローズアップ。

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本音では最近売り出し中と噂に聞くあの若造共、鉄華団を私は気に入っている部分もあったのだ。
だから、ギャラルホルンの増援が姿を現した時に必要以上に腹立たしく感じたし、はみ出し者の誇りというものをあいつらには見せつけずにはいられなかった。私が自ら敵を引き付けるためにモビルスーツで出たのは、そんないささか子供じみた発想からであることを此処に告白しよう。

「人間とは欲望の塊だ」
もうすぐ終わりを迎えそうだが私が海賊としてのキャリアで学んだことは以上の1点に集約される。
「こいつの欲望は何だ?」
それを考えれば、次に相手がとる行動は簡単にわかった。私がこの大きな組織を作る事ができたのはその読みが外れたことがほとんどなかったからだ。

だからこそ意外だった。
私の策にまんまと引っかかった鉄華団の連中は「生き残りたい」という欲を抱えているだろうからあっさり降伏するものとばかり予測していた。
勿論テイワズとの義理もあるのだろうが、あの戦力差では致し方なしと組織も判断するだろう。つまりここは降伏するのが定石だろうに何故にこいつらはこんな無謀な戦いをするのか?
そもそもこいつらには欲望というものがないのか?いやそんなはずはない。。

実際に彼らと戦ってみてわかったことが二つある。
一つは、一見無茶な戦法ではあってもこいつらにはその無茶な経験があるってことだ。
ほぼ体当たりで戦艦ごと向かってくることにこいつらは明らかに慣れていた。
それは我ら誇り高き海賊の戦い方ではないし、ギャラルホルンの戦い方でもない。
だから、私には計算外の事だった。

もう一つは、局面を変えてしまう変数が動きまわっていたことだ。
あの白い悪魔。
私はヒューマンデブリの乗った機体を次々に撃破する奴をモニター越しに見ていた。
「ひでえ。。」
さすがに艦内にいる時は言葉にはしなかったが海賊の私が言うのだから間違いない。
欲望どころか感情すらも無いように見えるあの戦い方。
あれはただのナイフだよ。
奴は今、私のすぐそばにいる。なんだか揉めてるみたいだが。

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多分ね、もっといろいろやりたかったのを抑えてる感はありますね。ストーリー展開をわかりやすくという意図もあるのかも。
アイディアはいっぱいあるけど、全部を拾うわけにはいかないっていう。
捨てざるを得ないほどのアイディアを持ってるっていうのが「今どき無いよなあ」っておもうわけですよ。