うむ。ニヤニヤが止まらない回だった。
日曜夕方から放映されている事を自ら放棄しているかのようなスタイルでありながら、そこに描かれるのは「男の成長」と「女の決断」というど真ん中ストレートな構造。
皮肉か?
これは事ある毎にTV番組に口出ししてくる「親御さん」に当てた強烈な皮肉なのか?
やってる、やってるぜえ。。
「ニヤニヤが止まらない」。

とりわけオルガの感情の動きは実に細やか。
振り返ると、
そもそも親分さんに面会する前に、名瀬さんが兄弟分の話を持ち出すことをオルガは事前に知らされていないのだ。
意外そうな表情を一瞬するのはそうした背景があるから。
「そこまで自分達を買ってくれてたのか。。」というのが意外でもあり、心動かすものがあったのであろう。

そんな名瀬さんの発する「家長として」という言葉に反応してしまうのがなんとも微笑ましい。
「俺は家長の務めを果たさなくちゃなんねえ。。」
そして思いっきり酔いつぶれてしまう団長。
「ニヤニヤが止まらない」。

対照的なのはクーデリアの決断。
理想に燃えるあまり幾数多の血を流させてしまう自分に対して突きつけられて条件を前に、思わず三日月君を振り返るが、「これはあんたが決めなくちゃならない事」と静観を決めこまれる。
「俺が初めて人を殺した時と同じように」という言葉を添えて、である。

ここでもう一度、殺人者としての三日月君を出してくる度胸。
「ニヤニヤしてる場合じゃねえ」。

決断する事って難しい。
それでもクーデリアを決断させたのは「裏切れない」という感情。

この回のラストで語られる、オルガの
「俺のメンツなんて関係ねえ」という台詞は極めて重要。
そうしたクーデリアの心情を慮って、「メンツ」というああいう世界で最も重要視される価値観を超える旨を宣言したのだ。
生まれながらの「超」極道、それが鉄華団。
「誰かこのニヤニヤを止めてくれ」。