いやあ、いよいよ追い込まれてきましたね。もともと二期は「鉄華団がひどい目に遭う話」って事前に発表されてただけに、まあ展開としては予想通りではありますがここに来て「いよいよ。。」っていう緊迫感が半端ないですね。

さて、今回は個人的にはジュリエッタ回でした。
言うなれば、「(そうするしかなかったとしても)鉄華団=不正解」と断ずるためのキャラクター。
一期でビスケットが死に二期前半でタカキが降りた鉄華団サイドからの視点からではなく、敵方からの視点で鉄華団に対するアンチテーゼの役割を一身に背負うキャラ。
元々、善悪の無い世界であえて「鉄華団=悪」という構図を至極まっとうな人間の感覚で主張するその役割は、狂気の世界の住人が比較的多いオルフェンズ宇宙の中で一際輝く「良心」、みたいな。

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モビルスーツによる近接戦闘では、敵のパイロットがどういう人間なのかが不思議とわかる。
それは生身の人間が格闘技で対戦した時、一瞬で相手のほとんどすべてを言葉を超えて認識するのと同じことだと思う。理屈抜きで「わかってしまう」のだ。

鉄華団の白いモビルスーツと相対していると、そんな「わかってしまう」性質がほとほと嫌になる。
「やはり。。強い。」
しかし、その強さの意味合いは私が今までに知るどんなものとも異なっていた。
例えるなら闇の空間が広がる広大な宇宙にある種の「歪み」が発生して、自分はそれと戦っているような気になってくるのだ。この世のものではないものと一体どう戦えばいいのだろう?

こちらが相手を認識した瞬間に、あのモビルスーツは最も理想的な攻撃のポジションに場を移している。それがなんとも私には薄気味悪い。次第に吐き気がせり上がってくる。
しかし皮肉な事にそういう生理的な嫌悪感が私の闘争心に火を点けているのも事実、だ。
「こいつだけは、ラスタル様のところに行かせるわけにはいかない」
手を合わせる度にその思いは強くなっていく。

圧倒的な劣勢の中で、わかったことが二つあった。
一つは「私ではこの白いモビルスーツにはおそらく勝てない」という事。それはおそらくラスタル様も事前にわかっていた事なのだろう。だからこそ「止められれば私の勝ち」なのだ。
これは「守るための戦い」だ。私はそれに徹するべきなのだ。

そしてもう一つは「この白いモビルスーツのパイロットの持つ『強さ』は犠牲によって成り立つ性質のもの」という事。これは勘に近いものだが、その犠牲とはパイロット自身の「人間である根拠」。
私の感じるこの嫌な感じ、は恐らくそういう敵の正体が原因だ。


生命維持装置の中で目を覚ました私の前にヴィダール(この人は私にとっては今もヴィダール、だ。)が姿を現したのは5時間後の事だった。私が私のままで私らしい強さを追い求める道を示唆したのは彼である。内心では感謝しているのだが、多分私がそれを口にする事はないだろう。
何となく、そう。。彼はそれを察しているのではないか、と思うのだ。

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ジュリエッタちゃんに生存フラグ?
そう思いたいんです。