いやあ、ヤバいっすね、イオク様。
あまりにもキャラが立ちまくりじゃないですか。
アミダ姐さんと名瀬の兄貴の回だったんですが、イオク様がちょっと美味しいところをもって行き過ぎた感があります。

世界に起こっていることのすべては自分を中心に回っているかのような幻想から死ぬまで解き放たれることのない、まあお坊ちゃまくんなんですけど、色々と恵まれていて成り立っているという設定。
圧倒的に世間知がない、というキャラクターなので場の空気なんか読むはずもない。
イオク様みたいな人って案外現実にもいたりしますけど、勿論自覚することはありません、
だって自分でわかんないからこそイオク様、だし。

※※※
今回の作戦の目的は「圧倒的に勝利し、我らが威信を取り戻す」ことにある。
だからこそ相手が停戦信号を発してきたらどのように対処するか、などはクジャン家の優秀な忠臣たちと共に私は既に方針として打ち出していたことだったのだ。
「一切、考慮せずなぎ倒す」と。

良いか?
これはそもそも「かたき討ち」なのだ!それを見失っては本末転倒というものだ。

あの憎き鉄華団の虫けら共の悪行によって火星で散っていった私の部下達に、どうしても私は手向けの花を贈らなければならない。
そしてその死が名誉のあるものであったことを宇宙全体に広く知らしめなければならない。
この胸に宿るこの熱き想い、それがもう逝ってしまった彼らとクジャン家当主である私との絆なのだ!

報いねば、当主として。
そうしなければ、私はいずれ今当家にある部下の信義をも失うこととなるだろう。
そんなことが許されて良いわけがない!
私には果たさねばならない約束、責任があるのだ。そこから私は逃げるつもりなど毛頭ない。

火星の一件以来逆境にあった我らに天が与えたリセットの機会、それがこのタービンズ掃討の任である。
私は手を抜くわけにはいかない。怠慢はクジャン家に関わる全ての者たちへの侮辱につながるのだから。
だからこそ時として非情に徹することもためらうべきではない。我らの正義とその信念とその背後にある美学は必ずやギャラルホルンの名誉ある歴史として刻まれるはずなのだから。

ようやく敵艦と共にあったモビルスーツを我らが正義の鉄槌で屠ったが、敵艦は一隻でこちらに突っ込んできた。
その強靭な生命力に私は驚愕し、実は失禁していたが今は誰もそのことに気づいていない。

この作戦の目的は「圧倒的に勝利し、我らが威信を取り戻す」ことにある。

※※※
巻き込み型のナルシスト。
なりきるコツは、信義、責任、正義などの美辞麗句で自分の心情を飾りたてる事にあります。
いるよなあ、こういうやつ。気をつけねば。