地球支部、ラディーチェさん絡みのストーリーはひたすら悲惨であるにも関わらず。。実は今回めっちゃ満足したのだ、私は。
この満足感は、オルフェンズにようやくここにきて群像劇としての深みが出てきたことによる。
ハッシュ君の「情けねえ」感。ジュリエッタのショック。タカキの慟哭。アストンの「ありがとう」。マクギリスのやばかったぁ。などなど。
一言でいうと「そうそう、こういうのが見たかったんだよ!」っていうね。
そして何気に予想を裏切るサブタイトルの使い方。ラスタルとガラン・モッサっていわば三日月とオルガの関係と相似形を成してたり、とか。
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「髭のおじさまが。。そんな。。どうして。。」
突然の訃報に涙を抑えきれないジュリエッタに対し、私は
「彼の死を嘆くのを止めろ!」と噛んで含むように言い聞かせたが、実は当の私の方がはるかにショックは大きかったのだ。
いや、正確に言うとそれはショックなどというものを通り超えており、私はまるで自分の半身を失ったかのように感じていた。そして事実、彼は私の半身であったのだ。
ジュリエッタが自分の部屋に戻った後、私は部下に電話をして幾つかの頼み事をした。
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表舞台に立ち、ギャラルホルンの名誉と力の挽回を図る私にはいくつかの「汚れ仕事」を乗り越える課題が立ちふさがっている。ここ数年はガランにそうしたことのすべてを任せることができたので私は私の立場を強固に保つことができたのだ。その支えを私は失った。。
今となっては、その本当の名を知る人は恐らく私だけとなった「ガラン・モッサ」と名乗った男は私の古い親友であり、実はギャラルホルンの中では知らぬ人のない名のある家の生まれなのだが、妾腹の子ということもあって実家とは疎遠で、半ば世捨て人のようなところのある戦略家であった。
士官学校時代から彼と私は意気投合したが、表の世界に出ることを嫌う彼の性格はいつしか理想を同じくする私の「汚れ仕事」を自ら進んで行うことを選択するようになった。
「俺にはこういう役回りがあってるんだよ。」
それが彼の口癖だった。
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ノックの音と、部下の「お持ちしました」という声がした。
「仰せの通り、明日の予定はキャンセルしておきました。それとコチラを。」
要職に就いてからというもの、ほとんど飲まなくなった酒を今宵だけは飲もうと決めていた。
私は頷くと、受け取ってドアの鍵をかけた。
今晩だけで、彼の事は私の中で「無かったこと」にしてしまわなければならないのだ。
そうでなければ彼がやってくれた仕事のすべてが無駄になってしまうのだ。
私には、ジュリエッタのように涙を流すことは許されず、マクギリスのように賢しいだけであることも許されないのだから。
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いやあ、そう考えるとマクギリスとラスタルの絡みっていうのもなかなか見どころの一つであるのかも。