いやあ、良い「ちっくしょおおおおおおおお!」でしたねえ。
一発逆転狙いって、大概うまくいきゃあしないっていう教訓的にも。
ジュリエッタちゃん大活躍回でもあり。
石動さんとガエリオの絡みもあったりでなかなか乱戦ぶりがよく出てました。
こういう回こそ二次創作界隈が気合をいれなきゃ、ですね。
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声が枯れるまで叫んだ後には、当然敵さんからの返礼のお時間、だ。
もはや、戦う術のないフラウロスに情け容赦なく砲弾の雨が降り注ぐ。
ホントはわかってたんだ。
もしあの一撃が当たっても当たらなくてもこうなるって事は。
ただ、一矢報いなきゃ気が済まなかったってだけの事で。
コックピットが小爆発を起こし、それに俺の体は巻き込まれた。
意識も体も引き裂かれていくのがわかる。
もう一度、しかし今度は小さく俺は「畜生!」と呟いた。
※
俺が最後に思いだしたのがヤマギの事っていうのもまったく畜生な話だよ。
最期くらい、それこそきれいなねえちゃんとのイチャイチャした思い出に包まれて死にたいのが人情ってもんだろ?
俺はあいつの気持ちを知っていてずっと知らないふりをするしかなかったし、それに俺はもう帰れないんだ。
「すまねえ」って気持ちで死にたくはなかったな。。
※
「おもしろい。おもしろいほどに事ごとに食い違ってくる。不運とはこうしたものか。」
いつからか本を読むのが好きになっていたヤマギが食堂で電子書籍を読んでいるとき、呟くように声を上げてその一節を読んだものだから俺はぎょっとした。
「なんだそりゃあ?ヤマギ?」
「大昔の地球の島国で書かれた小説っていうもの、らしいんだ。」
ヤマギはそれに夢中になっていた。
どうやら滅びる運命のサムライといわれる集団の中の一人が発する台詞らしい。
「このノリツネっていうのは弓の使い手なんだよね。」
そして、
「フラウロスも弓って感じするよね」って言ってたっけ。。
確か、俺はあの時
「馬鹿野郎!そいつ死んじまうんだろ?辛気臭えこといってんじゃねえよっ!」と軽くたしなめたけど。
今だから言うがな、ヤマギ。
鉄華団の中ではお調子者の役割だが、俺はうっすらと自分の「不運」に気づいてたんだよ。
でもな、俺にはそれを変える事なんてできなかった。
本当に必要だったのは、俺自身が変わっていくことだったのかもしれないのにな。
でも走るしかないってそう思い込んでたんだ。
実際、これ以上ないほど楽しかったってのもホントの事だしな。
※
最期の俺の表情は、きっと笑っていただろう。
ただうれしいだけの笑顔なんかじゃなくて、それは苦味走った自嘲っていう風な。
まったく、畜生だよっ!
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いやあ、最後の一撃ははずしちゃいましたけど、それなりにシノは楽しそうだったからいいんじゃないかっていう気が私にはするんですけどねえ。アレ、当たっててもなあって思うし。