一期最終回でやっと解ったことがある。
「なんで三日月君には『なりきれない』のか?」
この問いは、より良いストーリーテラー(シナリオライターでもなろう系でもない)になりたい私にはどうしても解かねばならぬ問いだった。
あまりにも明らか過ぎて気づかない裏設定の類ではないか、と思うのだが「三日月君は登場回数の割には一人称が極端に少ない」のだ。
ホントに時々「俺」っていうか言わないか。。みたいな。
※※※
このモビルスーツ、なんでこんなにうるさいんだろ。
罪深き子供?
何の事を言ってるのかさっぱりわからない。こっちはやるべき事をやってきただけだよ。
クランク二尉?
「誰、そいつ?」
変てこだが素早い動きのコイツが今までにない強敵である事はわかる。
また背中が一層熱くなる。
この熱が「生きてる」って感じさせる。
「命のやり取りの申し子」。
それは音や言葉の無い世界。
ただ激しい衝突だけがある世界。
あんまりものをおぼえてないのは、この激しさに馴染みすぎているから。
こんな時にあんまりしゃべるのは違うんじゃないの?と思うんだよ。
※
出発点はオルガとの出会いで、あの日の約束。
それより前の記憶は全くない。
あの日が誕生日、みたいなもんだ。
それから、色んなことがあって。。
大事な事は、仕事のヤマ場は今。
つまりはコイツをぶっ殺すって事、だし。
だから頭の中にあるのは、あの日の風景だけ。
※
どれだけバルバトスと「一つに」なれるのか?
それだけが生き死にを決めてるのはわかってる。
ずっと余計なものは削ぎ落としてきた。
残ったのは、あの日の風景だけだった。
※
今までは、それでやって来れたがどうやらコイツは違うらしい。
体を直接モビルスーツに繋いでいるのか。
ホント、化け物だな。
関係ないけど。
※
「あのオッサンは自分で死にたがってたよ。」
そう言うと黒いモビルスーツからの雑音はますます激しくなった。
あらゆる手は通じなかった。
押されている。
どうにも手詰まり、だ。
「これが阿頼耶識の差、って訳か。」
※
一層、雑音は激しくなった。
「もう貴様は救えない。その身にこびりついた罪の穢れは決して救えはしない!貴様も!あの女も!お前の仲間も!決して!」
それを聞いた時、確かに何かが弾けた。
この今の戦いの向こう側にしか未来なんてないのだ、というわかりきった事実がそこにあった。
だから取引の時間だ。
「罪?救う?それを決めるのはお前じゃないんだよ。」
賭け事なんてやった事はなかったが、今が賭ける時であることはさすがにわかる。
そしてうっすらと自分が何かを失う予感も感じていた。
「おい、バルバトス。いいから寄越せ。お前の全部。」
背中のケーブルが蛇みたいにのたうった。
バルバトスの方でも同じ事を言ったのか?
「いいから寄越せ。お前の全部。」
※※※
あらためて思うのはホント三日月君って変則的なキャラクター。
限りなく本能型、とでもいうか。。
ある意味、一期って三日月とマッキーという二人のキワモノの輪郭を彫っていくプロセスだったのかも。
メインイベントまで少々時間はありますが、あれこれ妄想が止まらない。。